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時計の種類(駆動方法)の違い

腕時計を動かす動力(駆動方法)により、ゼンマイがほどける力を使う「機械式」と、電池で動く「クォーツ式(電池式)」の大きく2種類に分けられます。

また、セイコー(グランドセイコー)独自の「スプリングドライブ」も存在します。

機械式時計

機械式時計はゼンマイを巻き、そのゼンマイがほどける力を利用してムーブメント(時計に内蔵された機械)に組み込まれた歯車や、文字盤上の針などのパーツを動かすという仕組みです。

細かな歯車などの部品が組み合わさって作動している機械式時計では、電力で作動するクォーツ式時計のような高精度は期待できません。

  • 一日あたり数秒〜数十秒の誤差で動作するのが一般的です。
  • 年式が古いモデルやヴィンテージ品では、個体により一日に数十秒〜数分など更に大きい誤差が生じる場合があります。
  • ゼンマイを動力にしているので巻き上げが不十分など一定以上のトルク(力)が得られない場合、本来の性能よりも誤差が出るものがあります。

また、クォーツ式と異なり、ゼンマイを巻かずに置いておくと時計が止まってしまいます。止まってしまった場合は、都度ゼンマイを巻き上げて時刻や日付を合わせる必要があります。

  • 動作時間(パワーリザーブ)はメーカー・モデル・年代や個体によっても異なりますが、ゼンマイが完全に巻き上がっている状態から約36〜48時間(1.5日~2日)程度が一般的です。
  • 近年の時計やロングパワーリザーブモデルでは、3日〜8日間など長期間動くものがあります。

デイトナのムーブメント拡大画像

ムーブメント拡大イメージ
(ロレックス コスモグラフ デイトナ 116519)

巻き上げ方式による違い

機械式時計は、ゼンマイを巻き上げる方法によって手巻きと自動巻きにさらに分類されます。

  • 手巻き

    リューズ操作によってのみゼンマイを巻き上げるのが手巻き時計です。手巻き(巻き上げ作業)をしないと止まってしまうため、毎日同じタイミングで巻き上げることを推奨しています。

  • 自動巻き

    腕の動きによって機械内部のローター(重り)を回転させてゼンマイを巻き上げるのが自動巻き時計です。尚、一部を除いて自動巻きの時計でも手巻きが可能です。

クォーツ時計

様々な価格帯の時計を含めて広く用いられているのが、電池を動力とするクォーツ式(Qz)時計です。水晶(クォーツ)の振動を利用し、機械式とは比較にならない程に精度が高く、さらに扱いやすいことが特徴です。

  • 一か月あたり数秒〜10秒程度の誤差で動作します。
  • 電池切れするまで動き続けます。電池の寿命はメーカーやモデルによって異なりますが、約1〜2年が一般的です。電池切れの際は電池交換が必要です。
  • クォーツ式時計も機械式時計と同様に使用状況・生活環境の影響を受けることがあります。
  • 機械式時計のように定期的なオーバーホールを必要としませんが、電池交換で動作が復帰しない場合は分解洗浄・オーバーホールが必要になる場合があります。

様々なクォーツ式時計

電池以外の動力を用いる時計など、多くのタイプが存在します。

  • ソーラー発電

    動力を太陽光を使って内蔵電池に充電する方式です。室内では光量が足りず充電不足になることがありますので、定期的に太陽の自然光の下で充電することをお勧めします。保管場所が引き出しや棚で暗い場合は一切充電しません。

  • オートクォーツ

    ローター(おもり)の動きで発電・充電して動力とし、時間制御はクォーツ式で行う方式です。一般的には通常のクォーツ式と比べると機械式に近い構造なので、定期的なオーバーホールが必要となります。

  • 電波時計・GPS時計

    電波を受信して時間を調整する時計です。地上の電波基地から電波を受信するものが「電波時計」、GPS衛星から送信される信号を受信するものが「GPS時計」と言われます。クォーツよりさらに高い精度や、外国へ移動した際に自動的に時刻調整が出来る点などがメリットです。「電波ソーラー」はソーラーで発電・駆動し、電波で時刻修正をする時計です。

スプリングドライブ

”第3のムーブメント”と称されるハイブリッド式ムーブメントです。機械式時計と同じくゼンマイがほどける力を動力として使いつつ、時刻の制御を水晶振動子の信号によって行うことで、クォーツ式並みの精度を実現しています。

  • 機械式と同じく、手巻きと自動巻き(オートマチック)があります。
  • 時計の制御部分以外は機械式と構造がほぼ同じなので、定期的なオーバーホールが必要となります。
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