クロノグラフ(chronograph)とは
腕時計に付いたストップウォッチ機能のことです。
通常の時刻表示機能に加え、2つのプッシュボタンでスタート・ストップ・リスタート・リセットができる機構を備えています。通常は文字盤の中に計測した時間の累計を表示する「積算計」があります。
また、タキメーターベゼルのように目盛を使って速度や距離、脈拍などを測れるものもあります。
クロノグラフの使い方
クロノグラフの時計には、通常の時計より多いボタン類や針があります。ここでは、ロレックス コスモグラフデイトナを例に、ご使用方法をご案内します。
なお、デイトナのボタン(プッシュボタン)は防水のため、ねじ込み式です。押す前にねじ込みを解放して下さい。
クロノグラフの読み取り方
3つのインダイヤル(文字盤上の小さなサークルと針)が配置された3(スリー)カウンター式のクロノグラフの例です。
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時計の秒針
通常の時計機能用の秒針です。常に動き続けています。
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クロノグラフ秒針
クロノグラフ機能専用の秒針です。クロノグラフを動作させていない時は止まっています(使用しない時は止めておいてください)。
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30分積算計
クロノグラフ作動から30分経過毎に1周する針と目盛です。1分経過するごとに1目盛進みます。
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12時間積算計
クロノグラフ作動から12時間経過毎に1周する針と目盛です。1時間経過するごとに1目盛進みます。この時計の場合、スタートから12時間まで計測することができます。
クロノグラフのスタート・ストップ
以下の手順で時間を計ることができます。
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1. クロノグラフの計測を開始する
【@スタートボタン&ストップボタン】を押してストップウォッチを動作開始させます。
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2. クロノグラフの計測を停止する
【@スタートボタン&ストップボタン】を再度押してストップウォッチを動作停止させます。この時、もう一度ボタンを押すと再度クロノグラフが動作します。
下記画像の例では、計測開始から「0時間3分22秒」経過したことになります。クロノグラフは動作させ続けることを前提に設計されていないため、計測の必要がない時には止めておくことをお勧めします。
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3. クロノグラフをリセットする
【Bリセットボタン】を押してクロノグラフをリセットします。全てのクロノグラフ用の針が「0」の位置に戻ります。
クロノグラフを停止させずに、リセットボタンを押してしまうと故障の原因になります。必ずストップさせてからリセットボタンを押して下さい。
様々なクロノグラフの配置例
上記以外にも、搭載されるムーブメントによってボタンや積算計の配置は異なります。
3つのインダイヤルを備える「3カウンター」と、2つのみの「2カウンター」が一般的です。
・3カウンタークロノグラフの例
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ロレックス デイトナ
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ウブロ ビッグバン
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シャネル J12 クロノ
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ブライトリング ナビタイマー1
・2カウンタークロノグラフの例
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IWC ポルトギーゼクロノ
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ウブロ クラシックフュージョン
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チューダー ブラックベイ クロノ
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ブライトリング プレミエ B01 クロノグラフ
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オメガ シーマスターアクアテラ クロノ GMT
様々なクロノグラフの種類
フライバッククロノグラフ
クロノグラフ作動中にリセットボタンを押すと計測がリセットされ、0から再計測を始める機能です。
連続して計測する場合に便利です。リセットボタンを押したとき、飛ぶように針が戻るため、フライバックという名称がついています。
正式名称は「リスターティング・フライバック」。
スプリットセコンドクロノグラフ(ラトラパンテ)
ラップタイム(A地点からB地点への経過時間)が計測できるクロノグラフです。クロノグラフ針・スプリットセコンド針の2本が計測針として備えられています。
計測を開始すると、2本の針が同時に動き始め、ストップさせるとスプリットセコンド針のみが単体で停止します。
再度開始すると、スプリットセコンド針が瞬時にクロノグラフ針に追いつき、再び計測を開始する仕組みです。これを繰り返し、何度でも動作させることができます。
「ラトラパンテ」とも呼ばれます。
レガッタクロノグラフ(カウントダウンタイマー)
主にヨット競技専用モデルに多い機能です。
競技のスタート時間を知らせるため、大きな窓の色を時間経過とともに変えるなどして時間を知らせます。
主なモデルには、ロレックスのヨットマスターII、オメガのアプネアなどがあります。