腕時計のお手入れ方法

ご自身でできるデイリーケアや、定期的なオーバーホールについてご案内します。

日常のお手入れ

最も簡単かつ短時間でできるメンテナンスが時計を拭くことです。

腕時計をクロスで拭き上げる

汚れが付いたままの状態が続くと「サビ」「変色」「劣化」の原因となり、悪化すると防水性能が失われる、ベゼルが動かない、リューズやプッシュボタンの軸が折れるなどパーツ交換しなければならない事態に陥ります。

必要に応じ、マイクロファイバークロスなどの柔らかい布で拭いてください。

また、防水性能がある時計で汚れがひどい時には、ケースやブレスレットを使い古した歯ブラシなどの柔らかいブラシで水洗いすることもできます。海水がついた後は、真水でよくすすぎ、海水や砂を洗い流してください。

水につけてお手入れをする際は、ねじ込みリューズをしっかりと締め込み、水が蛇口から直接リューズ部分にかからないようにご注意ください。

革ベルト(ストラップ)

革ベルトは汚れがあまり目立ちませんが、汗などの汚れを放置すると匂いやカビが発生して素材の劣化の原因となりますので、表面にダメージを与えないように優しくお手入れをして清潔さをキープしましょう。

残念ながら革ベルトのは金属製のブレスレットのように長持ちしません。
高級時計のベルトに使われるクロコダイルなどは使い込むと劣化が進んでいく素材です。
さらに汗や雨などで濡れてしまうと素材の劣化が一層進みます。

汗や水に濡れたまま放置すると剥がれ、臭い、カビや皮膚の炎症が起きる事もあります。

さらに汗や水が揮発する際に革ベルトの油分も一緒に飛んでしまい、乾燥してヒビ割れが起きる場合があります。

シューズやバッグ用の塗って栄養を与えて長持ちさせるレザークリームなどもありますが、あくまで劣化を遅らせる効果しかありません。塗り過ぎると変色やムラとなって逆効果ですので、使用の際は少量づつほどほどにご使用ください。

時計の保管場所

手から外した時計は落下の危険性が無い、安定した机や台の上で保管してください。

腕時計の保管方法

付属品の内箱・箱が無い場合は、クッションやスポンジなどにセットして、傷が付かないように柔らかい布などの上での保管がおすすめです。

必ずしも時計を「ワインダー/ワインディングマシーン」で保管する必要はありません。

永久カレンダー搭載など、動作を止めない方が望ましい特殊な機構の時計や日付の調整をしたくない方以外は、安全で安定した場所で箱に入れての保管で問題ありません。

電池交換

クォーツ式時計の電池が切れて止まったしまった場合は、電池交換が必要です。

使う予定が無いからと電池をそのままにしてしまうと、電池が液漏れして基盤が故障してしまうケースもあります。なるべく早めに電池交換にお持ちください。

分解掃除(オーバーホール)

定期的なオーバーホールは機械を長持ちさせます。

腕時計のオーバーホールとは時計を「調子良く使用できる状態」にすることを指します。時計内部のムーブメント(機械)をパーツ毎に分解し、洗浄、摩耗パーツの交換、組立、注油、精度調整と一通りの作業を行います。

腕時計の分解掃除(オーバーホール)

オーバーホールを行う目安としては、時計の種類や年代、防水性能の違いなどで若干異なってきますが、機械式時計では「おおよそ3年〜5年」の期間を当店での目安としてご案内しています。

調子が良いからといって使い続けていると、パーツの摩耗や劣化が進み、次回のオーバーホール時に数々の部品交換を必要とするような事態にもなります。調子が良く、ご使用上の問題が無くても、この期間で定期的に整備を行うことが理想です。

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