クロノグラフは、時間を「知る」だけでなく「計る」ための腕時計。機構名の由来はギリシャ語の「Chronos(時間)」と「Graphos(記す)」で、19世紀にフランスの時計技師によって誕生しました。通常の時刻表示に加え、秒単位で経過時間を目視しながら正確に計測できるクロノグラフは、時計愛好家の間で絶大な人気を誇ります。
手巻き・自動巻きの機械式だけでなく、クォーツ、スプリングドライブと駆動方式を問わず、世界中の時計ブランドが展開しており、精密な時間の動きと美しい文字盤デザインを同時に楽しめる、腕時計の醍醐味ともいえる機構です。
そんなクロノグラフの定番や価格帯別のおすすめ時計、選び方について詳しく解説していきます。
Chronograph
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クロノグラフのおすすめモデルと使い方
今おすすめしたい 定番のクロノグラフ
クロノグラフ時計はどれを選べば間違いないのか。迷いがちなクロノグラフ選びに答える、いま最も注目されているおすすめモデルをピックアップ。高精度なムーブメントと優れたデザイン性、そして所有欲を満たす存在感を併せ持つ、各ブランドの王道クロノグラフをご紹介します。
20万円台で買える おすすめのクロノグラフ
20万円台までで手に入る、コスパに優れたクロノグラフをピックアップ。精度や機能面で信頼できる人気ブランドのモデルが、手の届きやすい価格帯を実現しています。初めての高級時計を探す新社会人や、アクティブに使用したい方にぴったりのクロノグラフです。
50万円台で買える おすすめのクロノグラフ
50万円台までで手に入る、クロノグラフをピックアップ。タグ・ホイヤーのカレラやブルガリのディアゴノなど、信頼性とデザイン性を兼ね備えた人気シリーズが多数顔を揃えます。ステップアップして、ワンランク上のモデルを手に入れたい方におすすめです。
100万円以内で買える おすすめのクロノグラフ
100万円以内で手に入る、おすすめのクロノグラフをピックアップ。チューダーのブラックベイやIWCのポルトギーゼなど、世界的な人気ブランドを代表する主力モデルが多数ラインナップされています。ブランドにこだわる方にぴったりのクロノグラフです。
100万円以上の おすすめのクロノグラフ
ステータスシンボルとしても魅力的な、100万円以上のラグジュアリーなクロノグラフをピックアップ。インパクト抜群で人気のウブロから、時計ファン憧れの雲上ブランドの名作タイムピースまで、高級感とスポーティーさを兼ね備えたモデルが顔を揃えます。
クロノグラフの選び方
クロノグラフの種類から選ぶ
クロノグラフには様々な種類があります。特殊な環境や用途に対応するため、各ブランドは通常のクロノグラフよりもさらに複雑となった機能を開発。各機能は特定のレースやスポーツ、環境に特化したものが多く、用途に応じたクロノグラフ時計を選ぶのも良いでしょう。
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フライバッククロノグラフ
通常のクロノグラフは、停止後にリセットをしないと次の計測に進めませんが、フライバックはボタン一つで即リセット&再スタートが可能な高度なクロノグラフです。レースや競技など、素早い連続計測が必要な場面におすすめです。
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スプリットセコンドクロノグラフ(ラトラパンテ)
スプリットセコンドクロノグラフは、2本のクロノ針で複数のタイムを同時に計測できる複雑なクロノグラフです。ラップタイムを測りつつ最終タイムも記録できるため、レース観戦や複数選手のタイム比較を行う方におすすめです。
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レガッタクロノグラフ(カウントダウンタイマー)
レガッタクロノグラフは、ヨットレースのスタート時のカウントダウン計測に特化したクロノグラフです。スタートまでを秒単位で正確に把握できるため、ヨットレース参加者はもちろん、マリンスポーツ愛好者にもおすすめです。
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ワンプッシュクロノグラフ
ワンプッシュクロノグラフは、スタート・ストップ・リセットの操作を1つのボタンで行えるクロノグラフです。ボタン操作がシンプルで、見た目もすっきり。スピーディーな計測やスマートな操作性を重視する方におすすめです。
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タキメーター
クロノグラフの代表的なスケール表示がタキメーターです。「タキ」は「速い」を意味し、移動距離と経過時間から平均速度を計算できます。タキメーター目盛の数値が速度を示し、例えば1km進むのにクロノ針が30秒なら平均速度は120kmとなります。レーシングモデルに多く採用され、計算機能をデザインとして楽しめます。
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テレメーター
テレメーターは光や音の時間差から距離を計算でき、「テレ」は「遠く」を意味します。例えば花火では、光が見えた瞬間にクロノ計測をスタートし、音が聞こえた瞬間にストップすると、クロノ針が示すテレメーター目盛の数値でおおよその距離(km)がわかります。雷の発生距離など、特殊な距離計測にも活用できるクロノグラフです。
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パルスメーター
パルスメーターの「パルス」は「脈・鼓動」を意味し、心拍数を簡単に計測できます。クロノ計測をスタートし、15拍など一定の脈拍数を数えたところでストップすると、クロノ針が示すパルスメーター目盛から1分あたりの心拍数(bpm)がわかります。医療現場はもちろん、日常の健康管理など、手軽に自分の脈拍を確認したい方におすすめです。
クロノグラフのデザインから選ぶ
クロノグラフは、個性豊かなデザインが特徴で、インダイヤル(積算計)の配置やプッシュボタンの形状など、ブランドの美意識が反映されています。実用性を重視したモデルから上品で優雅なモデルまで、好みやスタイルに合うクロノグラフを選ぶことがポイントです。
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アナログクロノグラフ
クロノ針とインダイヤル(積算計)で時間を計測する、長年親しまれてきた一般的なクロノグラフがアナログクロノグラフです。文字盤にバランスよく配置されたインダイヤルと視認性に優れ、クラシックな見た目や機械式時計を好む方におすすめです。
カレラなど
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アナデジ(デジアナ)クロノグラフ
通常の長短針によるアナログ式の時間表示と、液晶画面のデジタル式の時間表示を組み合わせた「アナデジ」クロノグラフ。アナログの見やすさとデジタルの正確さを両立し、時間確認と計測を同時に行えます。利便性と機能性を重視する方におすすめです。
エアロスペースなど
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デジタルクロノグラフ
液晶やLED表示で正確な時間計測が可能な、クォーツ式時計に搭載されたストップウォッチ機能「デジタルクロノグラフ」。1秒以下の計測も可能で、ラップタイムやカウントダウンタイマーを活用したい方、スポーツや日常の正確な時間管理に適したモデルです。
MR-Gなど
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3カウンタークロノグラフ
クロノ秒針、30分積算計、12時間積算計が配置された「3カウンタークロノグラフ」。クロノグラフの秒・分・時間をそれぞれ独立した針で確認することができるため、クロノグラフの時間経過が最も読み取りやすい構造となっています。
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2カウンタークロノグラフ
クロノ秒針、30分積算計が配置された「2カウンタークロノグラフ」。クロノグラフの12時間積算計を省いた秒・分表示のみのシンプルな構造により、クラシカルですっきりとした文字盤デザインが特徴です。
モナコなど
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同軸クロノグラフ
複数の積算計を同じ軸上に重ねて表示する特殊なインダイヤルを備えた「同軸クロノグラフ」。主に6時位置に配置され、分・時間など通常は複数に分かれる積算計を1つに集約した文字盤デザインが特徴です。複雑機構ならではの精密さを楽しみたい方におすすめ。
クロノグラフの使い方
クロノグラフの各種ボタンや積算計の見方
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スタート・ストップボタン、リセットボタン
リューズ上側に配置され、1回押すと計測開始、再度押すと計測停止する「スタート・ストップ」ボタン。計測終了はリューズ下の「リセットボタン」で行います。クロノグラフの最も基本となる操作ボタンで、ブランドごとに様々な形状が存在します。
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クロノグラフ秒針
クロノグラフ作動中に秒単位で経過時間を計測する中心針です。通常の時計の秒針とは独立して動き、スタート・ストップ・リセット操作で瞬時に計測が可能。ラップタイムや時間測定に欠かせない、クロノグラフ機構の基本となる針です。
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30分積算計
クロノグラフ作動時の経過した「分」を最大30分まで計測するインダイヤルです。通常は3時位置や9時位置に配置され、中央のクロノ秒針と連動して1分ごとに針が進みます。短時間の計測や作業時間の把握に便利で、クロノグラフの基本的かつ最も使用頻度の高い積算計といえます。
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12時間積算計
30分積算計と連動して作動するクロノグラフの「12時間積算計」は、経過時間を最大12時間まで計測できるインダイヤルです。長時間の運動、ドライブ、フライトなどの計測に適しており、長時間の経過を正確に把握できる、クロノグラフの重要な積算計のひとつです。
クロノグラフの詳しい使い方やボタン配置例などは
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