清水デース
思いついたからやるぞ不定期連載「モデル名を考える」
第1回:IWC
1868年に設立されたインターナショナル・ウォッチ・カンパニー (International Watch Company) の頭文字から現在の「IWC」へ。時計屋では(少なくとも当店では)名残で「インター」呼びが定番です。
質実剛健、余計な装飾や華美なデザインを排し、実用第一。機能的で使いやすく、操作性にも優れています。他ブランドと比べると比較的サイズが大きめなラインナップですが、無駄のない誠実なデザインで日常使いにふさわしく、着用感も考えられています。
パートナーやアンバサダーの面々も堅実で、非常に好感度の高いブランドです。
シリーズ名
◆インヂュニア
磁気の強い環境でも使えるよう高い耐磁性能を誇るインヂュニア。ドイツ語で「エンジニア」の意味。いかついイメージのインヂュニアですが、近年では現代のスタイルに合わせてより実用的でスタイリッシュなデザイン傾向に。
こちらも名前のとおり。1930年代から航空機に欠かせない正確な軍用時計の開発に着手したのが始まり。イギリス・ドイツ・オーストリア空軍に正式採用された、パイロットのためのノウハウを詰め込んだシリーズ。
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モデル名
IWC流のスポーツモデルとして誕生した、「Gold、Stainless、Titanium」の頭文字から成るライン。クロノやアラーム、ダイバーなど何かしらの機能付きモデルであることが特徴。往年の時計愛好家に愛されながらも2003年に終了。未だ根強い人気。
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フランスの海洋学者「ジャック・イブ・クストー」を讃えた限定モデル。彼が研究を行った海洋調査船カリプソ号のエングレービングが特徴。
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ガラパゴス諸島で生物学研究を運営している「チャールズ・ダーウィン財団」とのパートナーシップモデル。
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トム・クルーズ主演の同名映画で有名な米海軍戦闘機兵器学校「トップガン」ライン。過酷な状況での訓練に耐えられるよう頑強な素材を使い、耐衝撃性・耐腐食性の高いラインナップ。トム・クルーズの顔が浮かんであの曲が流れるまである。
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ドイツ語で「パイロット」を意味するフリーガー。航空機内での使用に耐えられるよう高対磁性が特徴です。クロノグラフやUTC(Coordinated Universal Time/協定世界時)などの機能を搭載。生産終了モデル。
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ドイツ語で「2重」を意味するドッペル。要はスプリットセコンドクロノグラフです。2本のクロノグラフ秒針で、同時に2つの経過時間を計測できる機能。こちらも生産終了。
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アントワーヌ・ド・サンテグジュペリの「星の王子さま」に捧げられた、美しい星空のような青文字盤のライン。フランス語で同作の原題でもある「Le Petit Prince」は「小さな王子さま」の意味。
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直訳すると、伝統や遺産、財産。ヴィンテージ感のある配色が特徴のライン。他ブランド(セイコー、ブライトリング、チューダー等)でも良く使われる名称。各ブランドによって解釈や表現が違うのが面白いところ。
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◆AMG(パイロットウォッチ、インヂュニア)
ドイツの自動車メーカーであるダイムラーが展開する「Mercedes-AMG」元々はメルセデスのチューニングメーカーでしたが、現在はベンツのサブブランドとして展開。エーエムジーです。アーマーゲイではありません。
復習も兼ねてモデル名の由来などをまとめました。IWCは中二っぽいのや物騒なの、キラキラネームなど奇をてらったネーミングがなく、誠実で分かり易く覚えやすいものばかりです。名は体を表すとはよく言ったものです。
ドイツ語圏であるスイスのシャフハウゼン拠点ゆえ、スイスブランドながらドイツ語のモデル名が多いのも特徴ですね。
そんな中で、なかなかグッとくるネーミングがこちら。
IWC/IW388004 パイロットウォッチクロノ ラストフライト
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プティプランスと同じく、「星の王子さま」著者であり飛行家でもあったアントワーヌ・ド・サンテグジュペリの最後の飛行を讃え、没後70周年記念の2016年に発売されたモデル。彼が着用していた飛行服のカラーをオマージュした、ブラウンセラミックとブラウンダイヤルが特徴です。世界限定1700本
ラストフライトと言えば『宇宙兄弟』でデニール・ヤングの引退前のラストフライトで、六太に全ての操縦を任せたシーンなんですよねえ。
ご紹介した商品
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IWC
パイロットウォッチ クロノ ラストフライト 世界限定1700本 IW388004