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ブライトリングの魅力

いかにもパイロット用の時計というイメージが強いブライトリングには
色々と魅力的なシリーズがあります。
では何故、パイロットの時計というイメージが強いのでしょうか?

ナビタイマーという偉大な時計が存在しているからでしょう。
現在まで脈々と引き継がれるクロノグラフの魅力を色濃く持ち、
一度は手にしてみたい時計ですね。

ブライトリングのように、ひたすら【クロノグラフ】という機能を活かし
理想を追い求めているメーカーも稀有だと思います。
クロノグラフとは即ちストップウォッチのこと。
動く物体の経過時間など計測するために必要な機能です。
特にブライトリングの特長として、【回転計算尺】の存在が
その魅力を最大限に引き出しています。

回転計算尺とはフライト・コンピューターのことを表します。
パイロットが必要な情報をベゼルを回すだけで分かります。
ブライトリングでは、当初『タイプ42』と呼ばれる回転計算尺を採用していました。それはクロノマットに搭載され、掛け算・割り算・速度計測・生産速度などが計測できました。

画像: ブライトリング

クロノマットの『タイプ42計算尺』です。
ナビタイマーとは違う計算方法をします。

では、ナビタイマーに搭載された計算尺は、クロノマットのそれとは
違うものなのでしょうか?
ナビタイマーには、『タイプ52計算尺』と呼ばれている、E6-Bフライトコンピューターを基礎とした計算尺が採用されています。
このE6-Bは、アメリカ陸軍飛行教官によって開発されました。

画像:クロノマットの『タイプ42計算尺』

この機能を時計に採用したのが、ブライトリングらしいところです。
パイロットによるパイロットのための時計であることがよく分かります。

画像:クロノマットの『タイプ42計算尺』
画像:回転計算尺の使い方とは?

こちらはメーカー純正の回転計算尺モデルです。
それではこちらの模型を使って、実際の使用方法を簡単に説明致しましょう。

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[1] 掛け算の答えを導く。

画像:掛け算の答えを導く

掛け算には、単位指標である内側スケールの赤い【10】の数字を用います。

画像:掛け算の答えを導く

乗数(掛けたい数字)を外側スケールから探して、内側スケールの赤い【10】と向かい合うようにセットします。
図では乗数が12の場合です。
これで、内側スケールに対して向かい合う外側スケールの数字が、 全て掛ける12の答えとなっています。
(例えば図では、9×12=108 となっています)

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[2] 割り算の答えを導く。

画像:割り算の答えを導く

割り算でも赤い【10】を用います。
掛け算とは逆に、内側スケールの数字が除数(割りたい数字)になります。

赤い〇を付けた部分に注目です。
90÷(6)(15)    105÷(7)(15)    120÷(8)(15)
このように簡単に答えが出ます。

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[3] 対地速度の計算方法~その1~

※ 時間あたりの距離が予め分かっている場合のみ算出できます。

ここからはMPH(時間指標)が登場します。MPH=Miles Per Hourです。
普段私達が使う単位は1km/hですが、1mi/h=1.609344km/hとなります。

画像:対地速度の計算方法~その1~

例図は、40分間飛行した際の移動距離が100マイルだった場合です。
外側スケールの10の数字を、内側スケールの40と向かい合わせます。
すると、MPHの部分の上部に対地速度が出ます。
この場合は148マイル/時間です。

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[3] 対地速度の計算方法~その2~

※ 距離あたりの速度が予め分かっている場合のみ算出できます。

画像:対地速度の計算方法~その2~

400マイルの距離を100マイル/時間で移動した場合、240分(4時間)で移動可能である。
MPHの部分に【10】を合わせ、40に対応する内側スケールの数字を読み取る事で分かります。

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[4] マイル/分の計算方法

※ この値はマイル/時が分かった後に求めます。

[3]と同様に、100マイル/時間で移動した場合のマイル/分を求めます。
飛行時間が1分を切る場合は秒速計算したほうが理解しやすいということで、この計算方法があります。
例えばインナーマーカーとレンジ・ステーションの間の飛行時間などが1分以下になる場合などです。

画像:マイル/分の計算方法

【MPH】の部分に先ほど求めた10(100マイル)を合わせます。
そして内側スケールの10の部分に【1.64分速】という数値が表記されます。
秒速を知りたい場合は外側スケールの35の隣にあるが指している数値が秒速となります。

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[5] 上昇・下降時間の計算方法

※ 上昇・下降の高度・速度・時間のどれか2つの値が分かっている場合のみ算出できます。

画像:上昇・下降時間の計算方法

例図は、600フィート/分の平均速度で9000フィートまで上昇する時の所要時間を知りたい場合です。
内側スケールの単位指標【10】の向かい合わせに、上昇スピードの600をセットします。
このとき、目標上昇高度である外側スケールの【90】に対応する、内側スケールの数値【15】が求める所要時間です。
1フィート:0.3048メートルとなります。

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[6] 上昇・下降距離の計算方法

※ 上昇・下降の高度・速度・時間のどれか2つの値が分かっている場合のみ算出できます。

画像:上昇・下降距離の計算方法

上昇完了時点でどれだけの距離を飛行したのでしょう?
[5]で算出された所要時間(15分)を使って算出してみます。
このとき、飛行速度を120マイル/時、風向きが追い風20マイル/時だったと仮定します。
MPHの部分に14(120+20マイル)を合わせると、内側スケールの先ほどの所要時間(15分)の部分【15】に、
外側スケールの【35】という数字が対応しています。
これで35マイルの距離を飛行したという事が分かります。

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[7] ガソリン消費量の計算

※ 総消費量・飛行時間・1時間あたりの消費量のうちの2つが分かっている場合のみ算出できます。

画像:ガソリン消費量の計算

1時間あたり10ガロンの平均ガソリン消費量で、240分飛行する場合の総消費量を求めましょう。
まず、MPHの部分に外側スケールの【10】を合わせます。
次に、240分飛行した場合にあたる、内側スケールの【24】のところを見ます。
その際、向かい合う外側スケールの数値【40】より、40ガロンの燃料を消費するという事が分かります。

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[8] 海里/法定マイルの換算方法

海里とは、海面上および航海上の距離の単位です。
英語では、Nautical mileと表記されます。
回転計算尺を使うと、海里と法定マイルのそれぞれの換算が可能です。

画像:海里/法定マイルの換算方法

100法定マイルを海里に換算してみましょう。
内側スケールの【STAT】の部分に、外側スケールの100法定マイルにあたる数値【10】を合わせます。
すると、内側スケールの【NAUT】の部分に、外側スケールの【87】という数値が対応します。
これで100法定マイル≒87海里であることが分かります。

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[9] キロメートル/法定マイルの換算方法。

[8]と同様にして、キロメートルと法定マイルも換算できます。

画像:キロメートル:法定マイルの換算方法

ここでは、61法定マイルをキロメートルに換算してみます。
内側スケールの【STAT】の部分に外側スケールの61を合わせると、
画像上部の【KM】の隣の赤い△の部分には、外側スケールの96.5という数値が対応します。
よって、61マイル≒96.5キロメートル となります。

スタッフレコメンド vol.7 by スタッフ高木

『ブライトリングの魅力』

飛行機を操縦することを前提とした機能は、ブライトリングだからこそ似合うのです!!!