STAFF RECOMMENDATION

 

DIVE! DIVE!! DIVE!!!

夏が近づくとダイバーウォッチが欲しくなるのは、なぜなのでしょうか?
イメージとしては青い空・降り注ぐ太陽・白い砂浜
そして南の海でのダイビング・・・。

今までそのようなシュチュエーションで時計を使ったことはない方が
ほとんどでは??でも、もしかしたら本気でダイビングでの使用の可能性が
無いとは言えない今年の夏・・・。
本気で使う方も、アイキャッチとしてダイバーウォッチが気になる方も、
沢山存在するダイバーウォッチの中からどのように選べば良いのか?
何処が違うのか???

とりあえずダイバーウォッチの王道ともいえる2本に登場してもらいましょう。

イメージ:ダイバーズウォッチ
ROLEX Ref16610 SUBMARINER

ROLEX Ref16610
SUBMARINER

ダイバーウォッチの代名詞とも言える存在ですね。
質感・デザイン・機能性、全てが揃った、
「ザ・ダイバーウォッチ」ともいえるモデルです。

OMEGA 212.30.41.20.01.002 SEAMASTER PROFESSIONAL

OMEGA 212.30.41.20.01.002
SEAMASTER PROFESSIONAL

シーマスターも完成度の高い一本です。
こちらは“ヘリウムガスエスケープバルブ”を
搭載しています。

まず一目見てすぐに気づく違いがあります。
“ヘリウムガスエスケープバルブ”が搭載されているか否かです。
何故同じ防水性能なのに、片や付いていて片や付いていないのか?

そもそも何故ヘリウムエスケープバルブがダイバーウォッチに必要なのでしょうか。
深海での作業をおこなう場合、酸素とヘリウムを混合したものを呼吸します。
なぜかというと、地上では無害の窒素が高圧の深海においては、「窒素酔い」という現象を引き起こすため、
窒素をヘリウムに置き換えたガスを呼吸することが必要なのです。
窒素に比べ原子の大きさが小さいヘリウムは、あらゆる隙間から入り込む事が可能です。
例えばガラスとケースの設置面など・・・。
隙間から入ったヘリウムはまた簡単に外へ出て行くと考えがちですが、
浮上する際の内外圧差でヘリウムが外に出るその圧力に時計内部が耐えられません。
その為に手動もしくは自動でヘリウムを時計内部から抜く必要があります。

シーマスターはその為にヘリウムガスエスケープバルブを搭載しています。

OMEGA 212.30.41.20.01.002 SEAMASTER PROFESSIONAL

このバルブを開放する事で内部圧力を緩和させヘリウムを抜きます。
サブマリーナーにはヘリウムガスエスケープバルブがありません。それは何故なのでしょう?

ROLEX Ref16610 SUBMARINER

サブマリーナーは、内部を完全に密封する為に「トリプルロックシステム」というシステムを採用し、
ガスケットにはポリマーを使い完全密封することで防水性を高めています。

【潜水時計の国際規格ISO・日本工業規格のJIS】のダイバーウォッチの定義を見てみましょう。
ISO 6425とJIS B7023という規格が、潜水時計のそれに当たります。

要求される規定の定義

  1. 少なくとも100mの潜水に耐え、その1.25倍の水圧に耐える耐圧性(100mの場合は125m相当)があること。
  2. タイムプリセレクティング装置(ベゼルリング)を備えていること(誤作動、逆転防止付)
  3. 水中操作性として、水深30cmでベゼルリングの操作が出来ること
  4. 潜水時間を管理する機能を有する
  5. ヘリウムガス雰囲気中で使用したとき、時計の正常な機能が損なわれる危険性があることに注意しなければならない
    (ヘリウムガスを使用した飽和潜水に使用可能であるか否かを予め表現しておくこと)

その他に多数項目としてあります。
ここで色々と調べているとある事に気づきました。

飽和潜水通常の空気潜水かという違いです。
通常の空気潜水時計の規格内容として、
水深200m/300mまでの耐圧性と長時間水中使用に耐える防水性を備える事が求められています。
但し飽和潜水(ヘリウムとの空気混合状態)には使えません。
飽和潜水の規格内容として水深300mの耐圧性能とヘリウムガス対策機密構造を必要とします。

オメガのシーマスタープロフェッショナルとロレックスのサブマリーナでは
同じ300m防水でも【2種潜水時計 ・1種潜水時計 】の違いがあるのですね。

余談ですが【防水性とは?】

《JIS B 7023 / JIS B 7021 による規定》

  2種潜水時計 1種潜水時計 2種防水時計 2種防水時計 2種防水時計 1種防水時計
300m防水 200m防水 20気圧防水 10気圧防水 5気圧防水 日常生活防水
雨や手洗いの際の水しぶきに
耐えうる程度の使用
水仕事(炊事・洗濯)に
耐えうる程度の使用
 
ヨット・ボート等のマリンスポーツ、
釣りなど船上作業。
プール等での軽い水中使用
   
競泳、素潜り・シュノーケリング等の
浅い水中での使用
     
スキューバダイビングなど
空気潜水での使用
       
飽和潜水での使用          

あくまでも使用の目安ですが、海や川に遊びに行ったとき安心して水の中に入れられるのは
2種防水時計とされている20気圧防水表記以上の時計。
スキューバダイビングなど空気潜水での使用は
1種潜水時計とされる200m防水表記でねじ込み式のリューズが搭載された時計になります。

それでは飽和潜水の規格である2種潜水時計の300m防水性とはどのようなものでしょう?
10m潜ることにで1気圧がかかり、300mでは31気圧がかかります。
どのような状態なのでしょうか?
例えば10m潜ると1平方cmあたり圧力により1kgの重さを感じることとなり、300m潜ると30kgの重さとなります。
小指の先に30kgの錘を乗せた状態です。
現実にこれだけの錘が小指の先に乗っかったら大変なことになります。
どちらにしても凄い耐圧性という事ですね。

 

300mを超えてさらに深海へ

SUMMER 2010

ダイバーウォッチ(ロレックス / オメガ)