ポートフィノ ミッドサイズ

　情報過多のこの時代､たまにはちょっと立ち止まって､ １つの時計やジュエリーを観察してみる｢ゆる極｣シリーズ｡｢ゆる｣というくらいなのでストイックに追い求めるわけでなく､気楽に掘り下げようという趣旨をご理解頂きたく｡

　残暑厳しくまだまだ開放的な腕もとに職業柄ついつい目がいってしまうのですが､最近大きめ時計を愛用している女子が多いことに気がつきました｡ここ数年ジュネーブサロンやバーゼルワールドでもにぎわっている女性の為の機械式時計､今回はIWCの｢ポートフィノ ミッドサイズ｣をご紹介します｡

　IWCといえば６回目で紹介した｢H.モーザー」氏が、１８６８年ＩＷＣ創業時多大なる尽力をした事でも有名。他のスイス時計メーカーとは一線を画し、当初から「アメリカ｣をターゲットとした戦略で成功したんだとか。

　その中でもIWCの代表作｢ポートフィノ｣｢ポルトギーゼ｣は共にビジネス志向の時計として男性に人気を博しています｡モデル名の由来となるイタリアのジェノヴァに近い”ポートフィノ”｡昔は小さな漁村でしたが今や世界中のセレブリティがバケーションを楽しむ優雅なリゾート地として有名です。

　そんな華やかなライフスタイルを体現した｢ポートフィノ｣は懐中時計から発想を得ているデザイン｡人目を惹くシンプルなラウンドフォルムはどことなくクラシカルな雰囲気を併せ持ち、エレガント時計の代表モデルといっても過言ではありません。実際、女性サイドからパートナーにつけてもらいたい時計ランキングでは常に上位にランクイン。

　お洒落女性がメンズサイズを愛用している場合もありますが、腕が細い方だとハズシとカジュアル度合が増し､｢パートナーから借りてきました!?｣感が否めないところも｡そこでお勧めしたいのが２０１４年に発表された「ミッドサイズ」コレクション。

　女性だけど機械式時計を気軽に楽しみたい！という方にピッタリ♪やや大きめの上品サイズ・シンプルデザイン･中身、どれをとっても男性用ポートフィノに劣らず。女性でも使いやすい安心と信頼のゼンマイ時計です｡３本の針と控えめな日付表示にセンスの良さが光るこのミッドサイズも､出来るだけ無駄をそぎ落とした優雅なデザインで､貴女のどんなスタイルでも爽やかにマッチする事請け合いです｡

　そう､｢女性向けの機械式時計はロレックスだけでは無いんです｣という事をお伝えしたく｡時計業界で働く女子から申し上げましても､IWCの機械式時計をつけてる女性の方は一目置いちゃいますね｡気負わず､その潔い内面がIWCを選ぶって所に表れていてこの上ない格好よさ！

　質実剛健なIWCにしては珍しい華やかなコレクションラインとなっておりますが､飾り立てるというより肌や姿をよりよく魅せてくれるという側面の方が強いかも｡酸いも甘いも知り尽くした大人の女性にこそつけて頂きたい､珠玉の１本です｡