こんにちは、営業部の清水です。
今回は2000年の『アメリカン・サイコ』です。
画像引用:2000 米 / American Psycho / LIONSGATE (IMDb)
徹底した肉体改造による役作りでカメレオン俳優とも言われる、クリスチャン・ベール(チャンべ)主演のサイコスリラーです。
バブル期の1980年代、ニューヨーク。一等地のアッパーウェストサイドに住み、ブランドインテリアに囲まれ会社は親から与えられた一流企業の副社長。何不自由ない恵まれた人生を謳歌しているように見える主人公のべイトマン。
彼の日常は、同僚たちとスーツのブランドを値踏みし、いかに良いレストランで食事をするかを自慢しあい、誰の名刺のデザインが優れているかを競い合う、上辺だけの物質主義に満ちたものでした。
とにかく見栄っ張りで自己顕示欲の塊のべイトマン君。自分がNo.1じゃなきゃ気がすみません。名刺のデザインが自分よりイケてた同僚に殺意を抱きます。(視聴者にとっちゃどっちも変わらん。)
行為の最中も自分の完璧な肉体を鏡に映してキメ顔全開のナルシスト。
そんな彼には快楽殺人という異常性癖があり、夜な夜な大胆すぎる殺人を犯します。死体詰めた袋を血を垂れ流しながら引きずったり、血の付いたシーツをそのまんまクリーニングに出したり、同僚殺人の疑惑で探偵から尋問されてもしどろもどろで墓穴掘ってばっかりなグダグダぶり。
さらには彼に殺されそうになりアパート内を逃げ回る娼婦を、全裸(武器:チェーンソー 防具:スニーカー)で追いかけ回す始末。(どういうわけか、誰にも見つからないのだ!)
この辺ツッコミ所満載で、何でバレないのか不思議でしょうがないんですけど、この作品の本質が「快楽殺人」そのものではなく、「そんな異常者が周りにいるのに無関心な社会」を風刺しているからです。
他人に関心を持たず、上っ面だけ取り繕い、本音で語り合う事も信頼する事もなく、ただただ社会に埋没していく現代社会の縮図です。原作小説は1991年に出版されていますが、25年経った今でも、没個性社会は何も変わっていないです。
ベイトマン君は、ロレックスのデイトジャストを着けています。SS×YGのコンビ&ジュビリーブレスのモデルです。現行モデルの重厚な雰囲気も高級感が増して良いですが、やはりこの当時のデイトジャストはクラシカルな雰囲気で良いですね。
それにしても、満面の笑顔でナタ振り下ろすチャンベの表情の秀逸さといったらないです。
ベ「ドーシア(人気レストラン)の予約取ってみやがれ~!!」←取ったし
なお同じく徹底した役作りに定評のある、メソッド俳優ジャレッド・レト(インスタ出現率がOL並)も良い味だしておりますが、開始30分でチャンべのナタの餌食になりました。
彼は
①名刺のデザインがイケてやがった
②人気レストランの予約を取りやがった
以上の理由から殺されることになりました。