どうもこんにちは!ミスター仕事熱心こと、時計が三度の飯の次の次の次の次くらいに好きな店頭スタッフのスギモトです。
今回は実験でもインタビューでもなく、普通のブログっぽく、休日だというのに自腹で参加した『時計づくり体験』の模様をお伝えしたいと思います!
本や映像で時計の構造の勉強はしましたが、さすがに商品をバラすわけにはいきませんので、今回は自費で存分に弄り倒してきました。
…なんて仕事熱心なんでしょうか!(どうですか社長)
この記事の目次
さて、時計づくりが体験できるのは諏訪湖のほとりにある時計の博物館、『諏訪湖時の科学館 儀象堂*』です。
*現在は『しもすわ今昔館 おいでや 時計工房 儀象堂 SUWAKO WATCHI&CLOCK MUSEUM』
諏訪湖って遠い…
「諏訪湖ってアナタ…長野じゃないの、渋谷から200kmくらいあるじゃないの」と思ったあなた。
大正解です。(遠かった…)
朝の9時前に受付に行くと、『まさか今日いらしたんじゃないですよね?前日から一泊ですよね?』と聞かれたので『いいえ、今朝5時起きで東京から来ましたが?』と答えると、ちょっと引かれました。

儀象堂では、20分程度でクオーツ腕時計や掛け時計を組み立てる、スナック感覚で楽しめるコースから、ガッツリ機械式時計を組み立てる「懐石系コース」まで幅広い時計づくり体験ができます。
もちろん仕事熱心な私が参加したのは懐石系。
体験時間はなんと最長の6時間です。 (どうですか社長)
注油作業は無く、一部省略された工程もあるものの、地板(ムーブメントの基礎)に数十のパーツを組み込む体験ができます!
本日組み立てる時計
本日組み立てるのは、儀象堂とオリエント(現在はセイコーエプソンの子会社)の共同開発、と銘打ったこちらです。

デイト・曜日表示付きの自動巻です。
セイコー(オリエント)らしく、曜日表示は日本語と英語のバイリンガル仕様です!
ちなみに儀象堂に講師は4人いるそうですが、全員がセイコーエプソンの元技術者だそうです。(さすがお膝元!)
引かれつつ受付を済ませると、いよいよ体験コースの始まりです。
入り口で用意された、技術者っぽい雰囲気むんむんの白衣に衣裳チェーンジ!…するかと思いきや、『今日暑いんで着なくてもいいですよ』という肩透かし。
結局、暑いんで着ませんでした。
いよいよ組み立て作業開始
作業は、一工程ごとに先生の解説を聞いて進めていきます。
(ちなみに解説に使われてたプロジェクターはEPSONでした)
一回ごとに写真を撮ろうと思っていたんですが、コレを見る限りかなり進んじゃってますね。テヘヘ。
というか、「17」の部品なので17工程進んでますね。テヘヘ。
これは、ゼンマイの入った香箱車、アンクルと噛み合うがんぎ車なんか組み込まれ、
一番受というパーツが付いた状態です。
そして今度は重要部品、アンクルを装着し、問題無くついているかを顕微鏡で確認しています。
時計の心臓部 テンプを組み込み!
さらに次の工程では…テンプがつきました!

つけた途端に動き始めるテンプを見てちょっと感動。
何かやり遂げた気持ちになりました。 まだ完成してないのに。
文字盤側からカレンダー関連のパーツを組み立て
ここまで来たら、裏側の作業は自動巻き機構の取り付けを残すのみなので、一旦ひっくり返して文字盤側の作業に移ります。
日廻し車(日送り車)の取り付け
針やカレンダーを動かすための部品をサクサクと(嘘です本当はゆっくり)取り付けます。
左上の白っぽいパーツ(この時計では樹脂製)が、日付を送る日廻し車(日送り車)です。(この時計だと曜日もあるので日曜廻し車となるそうです)
通常の時計だと20:00~4:00頃の、所謂「日付送り禁止時間帯」に日付操作をしてしまうと、コイツの爪が折れたりして故障するようです。
お前だったのか!(皆様お気を付け下さい)
日車と曜車の取り付け
そして日車(数字の書かれた円盤)をつけます。

同じく曜車(曜日の円盤)を取り付けます。
文字盤の取り付け
とうとう文字盤を取り付けます!
もうこの時点で、誰がどう見ても時計です。ゴールが見えてきました!
最難関?!針の取り付け
でも、ここからが大変なんですよ奥さん!!!
時針と分針を取り付けるんですが、もう指先プルプルしちゃうんです。
まず、日付がちょうど変わる位置に時針を取り付けます。それから、時針と全く同じ位置を指すように、分針を取り付ける必要があります。
右手はピンセットで針を持ち、左手で針を固定する工具を(名前忘れましたテヘヘ)持って取り付け作業をするんですが…これが出来ない!!
もうすんごいんです、すんごいプルプルしちゃうんです。
しかも、針がなかなか固定できないんです。何回やってもポロリしてしまう…!何故だ!
結構器用な方だという自信があったのに!!
…どうやら、用意された工具のサイズが違ったらしいです。
「これじゃあ入らないねー」って言われました。騙された。
なんとか針がついた
なんやかんやでようやく針をつけることに成功(セイコーだけに)。
今度は仮のリューズを外して、ケースに詰めていきます。
そして組み立て完成へ…
再度ひっくり返して、自動巻きのローターを取り付けます。そして苦労の結晶であるムーブメントをいよいよケースに入れます…!

ハイ、完成!
ハイ、大事なところでピンボケ!
ブレスレットを取り付けて後日撮り直した写真がこちら。
どうですか私の時計は?!
長くなりましたが、こんな感じの6時間でした。
何となく見ていた一個一個のパーツが、どんな働きをしているのかを実感できるので、これから裏スケを見るのが楽しくなりそうです。
何より、『俺は機械式時計を組み立てたことあるんだぜ』という謎の自信が満ちてきます。「ただの時計好き」から「機械式時計を組み立てた男」へクラスチェンジ出来るので、時計仲間からも尊敬の眼差しを集めることでしょう。
やる前は6時間という長さにビビっていましたが、時計好きの方には楽しめるコースだと思いますので、是非チャレンジしてみてください!
そうそう、行かれた方は是非『宝石広場のブログで見た』と言ってみてください。何も起こりませんので。
この三連休はお蔭様でたくさんのお客様にご来店いただいております。
大変ありがたいのですが、店頭スタッフの私にはこれ以上ブログを仕上げている時間が有りません!
急ではございますがここらで失礼いたします。ありがとうございました。
また来世!
宝石広場のセイコーとグランドセイコー
当店の充実したセイコー、及びグランドセイコーのラインナップはコチラからご覧いただけます。


私の組み立てたGishodoは非売品ですので悪しからず!
自宅でじっくり組み立てたい方には『腕時計組立キット』がオススメ!
『時計組み立てやってみたいけど諏訪湖は遠いよ!5時起きで6時間ぶっ続けなんて無理だよ!』なんていう貴方にお勧めなのが、『腕時計組立キット』です!

必要なパーツ、工具まで全て揃っているので、届いたその日から組み立てられます!偶然にも宝石広場で販売しておりますので、気になった方は是非!時計のタイプも様々ございます。
今回お世話になった「儀象堂」
諏訪湖時の科学館 儀象堂
SUWAKO WATCHI&CLOCK MUSEUM
長野県諏訪郡下諏訪町3289
TEL 0266-27-0001
https://gishodo.watch
