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時計

“天文時計三部作”を生み出したルートヴィヒ・エクスリン博士【複雑の極み】よく見てみると【時間概念】ゼニス

寒い日がまだまだ続きそうな予感がするので未だ本気モードに入れないで車雑誌などを読んで車が欲しくなっているスタッフ・タカギです。

あまりにも趣味性の高い乗り物をひたすら乗り続けているので車に対しては興味も無く「移動できて雨風しのげればいい」的な感じにしか捉えていなかったんです。

でも最近車に乗る機会が多くて色々な事を考えさせられているわけです。そうすると今までよりも深く調べたりして・・・興味がなく調べるのと興味が出てきて調べるとでは全然違うんです。

ゼニスのエルプリメロ・ウィンザー

そんなこんなでゼニスの時計を調べていたら・・・ゼニスのエルプリメロ・ウィンザーなんですが、これがまた興味を惹かれるわけです。
ウィンザー

  • 新キャリバー4054
  • ヘヴィーメタル製ローター
  • 36000振動のエルプリメロ
  • ゼニス初のアニュアルカレンダー搭載モデル
  • ルードヴィッヒ・エクスリン博士

ウーンこれだけ単語を書き出すとそれだけですごい感じがします。

新キャリパー4054
Cal4054
これがエルプリメロ36000VPH(400系統)
36000

これを見比べても大きな差は感じられません。当

然と言えば当然ですね・・・このキャリパーに年次カレンダー機能を追加して新キャリパーを作り上げたわけですから見た目が大幅に違うものにはならないですよね。

単純に違いとして閏年を含む2月末まで自動的に調整するのが永久カレンダーと位置付けられ、2月末以外を自動的に調整する半自動カレンダーが年次カレンダーとしています。

簡単に書いていますが、永久カレンダーと年次カレンダーの違いが閏年だけと考えてもいいのですが、やはりもう一歩踏み込むと“部品構成とカレンダーを動かす部品の占める場所”が違うわけです。

この限られたスペースの中に組み込まなければいけないわけで、それを大型化してしまうのでは芸がありません。

年次カレンダーのCal4054は年次カレンダーなので、小の月と大の月を分ける機能を追加しているわけです。

でもポンッと機能を追加すると書いても簡単にはできないわけです。30mmという機械径に組み込むわけですから・・・

有名な“天文時計三部作”を生み出したルートヴィヒ・エクスリン博士

そして登場するのがDr. Ludwig Oechslin。

哲学、考古学、古代史、天文学、理論物理学を学びギリシャ語まで勉強し古典的な世界と科学に魅了された人物ですね。

時計に興味を持ったきっかけが一つの腕時計のミニッツリピーターだったそうです。これがポケットウォッチだったら、かの有名な三部作は生まれなかったのでしょう。

24歳の時に時計修復を学び、バチカンの17世紀に造られた天文振り子時計を解体・復元作業を4年という歳月をかけ復元させました。

この時に論文を完成させ博士号を取得したわけです。その論文のタイトルが

“The Clock, Model of the Cosmos, and Astronomical Instruments of Bernardo Facini.”

読むだけで三部作が生まれる予感がします。

そして博士号を取得し一年後には時計製造試験に合格しウォッチメーカーの資格を獲得しました。既にこの時点でガリレオガリレイを作るだけのの理論的な知識は出来上がっていたようです。

それからもウィーンとミュンヘンの博物館で更なる研究を続けていたようです。知識の探求を続けることで三部作が生まれたわけです。

ここまで研究しつづけ自分の名前を“the Perpetual Ludwig“としたわけです。ここまで書いて“三部作”と表現しましたが…

ユリスナルダン アストロラビウム・ガリレオガリレイ

アストロラビウム・ガリレオガリレイ

文字盤は天球を模しており、太陽の位置、の位置、ムーンフェイズ、日食月食、主な星が見えているかを表示する他、月と曜日を表示する。144000年分の天文情報がプログラムされている。

テリリウム・ヨハネスケプラー

文字盤中央には七宝で北極を中心とした地球が描かれたディスクが回っており、湾曲した針金がどの地域が昼でどの地域が夜かを示す。

プラネタリウム・コペルニクス

文字盤は太陽系を模しており、文字盤中央を太陽、文字盤中央より少し下を地球に見立てている。

太陽の廻りを水星、金星、火星、木星、土星、黄道12宮ディスクが回っている。水星ディスクと金星ディスクは反時計回り、それ以外のディスクは時計回りに回転する。木星と土星は実際にはかなり外側を回っているため他の惑星ディスクと比較し木星1/3、土星1/5で表示されている。

サファイアガラスに描かれたクモの巣状の線は30度ごとに引かれている。外側で折れ曲がっているのは前述木星と土星の縮尺を補正するためである。

黄道12宮ディスクには月週も表示され、365日5時間48分46秒で時計回りに一周する。12時位置にその日太陽がいる星座と月・週を示す。

地球の周りを月が回ることでムーンフェイズを表示している。

 

 

時計の中に宇宙を入れてしまうという事に一番近い内容なのかもしれません。

この時計達を作り上げた人間が監修していることを考えると非常に興味深いゼニスの逸品になっていくのかもしれません。

いかがでしょうか!

ABOUT ME
【宝石広場 店頭スタッフ:時計業界歴30年以上? / 好きなブランド:ロレックス】90年代に本場スイスで時計業界に携わっていました。 最近痛感したのはいつの間にかビンテージ”になってしまった90年代後期の時計達を見ながら、自分がこの業界に入った時は現行新品でしたという現実。 バイクと時計をこよなく愛し終わらない機械式人生を過ごしてます!

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